型にとらわれず、お客様に楽しい時間を提供する型にとらわれず、お客様に楽しい時間を提供する

  • 橋岡 知宏

    橋岡 知宏 Chihiro Hashioka

    専門店本部
    首都圏エリア店 店長

    2017年入社

ロールプレイング大会で大会最年少優勝

「お客様の味覚は素晴らしいですね」2017年11月。西東京・山梨エリアに5 館の駅ビルを運営するディベロッパーの接客ロールプレイング大会の決勝大会が開催された。

壇上で接客する橋岡知宏のその言葉に、お客様役が思わず笑ってしまった。審査員席からも会場からも楽し気な笑い声が響いた。これまでの決勝大会では見られなかったユニークな接客がなされたそのとき、並み居る店長クラスの実力者を抑えて、4 月に入社したばかりの新人店舗スタッフ・橋岡の優勝は決まった。

「ロールプレイング大会に出る限り優勝したいと思っていましたが、まさか本当に優勝できるとは思いませんでした」と、本人も驚いたという。

アルバイト時代のリベンジを期して接客業に挑戦

橋岡は、学生時代の接客のアルバイトでお客様の質問に答えられずに悔しい思いをし、「専門性の高い会話もできる接客をしたい」とリベンジを誓って就活に臨んだ。

生活の木を選んだのは、面接の中で「今まで自分でも知らなかった個性を引き出し、ちゃんと自分を理解してくれた」から。当時人事では、橋岡のことを「素直で温かく、思いやりがある」と感じており、そのバックボーンを探った。

すると、4 人兄弟の長男として幼い弟たちの面倒を見ながら学業とアルバイトに精を出し、母親を支えている橋岡の姿が見えたのだという。橋岡にとって、弟たちを飽きさせずに楽しく面倒を見るのは当たり前すぎて自覚がなかったのだ。そして何より、人を引き付ける明るい笑顔が「ぜひ入社してほしい」と思わせた。

いいと思ったことは即実践

駅ビルの専門店に配属された橋岡は、「お客様も自分も楽しくなる接客をマスターすること」を目標に掲げた。弟たちを楽しませたような、言ってみればテーマパークのキャストのような接客を目指したのだ。

休みの日には様々な店舗をめぐって、これはいいと思ったことを翌日お店で実践し、できることとできないことや改善点を探った。そこには必ず自分が楽しくなる要素を入れるようにした。

「必要以上に丁寧すぎてお客様に引かれたこともありました。やっぱり自分が楽しくなるような接客にならないと、お客様も楽しくなれませんからね。私との会話が楽しくて、また来てくださるようになっていただきたいと思って色んなアプローチにチャレンジしました」

自分が楽しくなる接客でお客様を楽しませたい

そんなとき、店長から「誰かロールプレイング大会に出ないか」という話があった。実は店長は、他のベテランスタッフに出てもらいたかったようだ。ところが、商品知識も言葉遣いにもまだ疑問符が付くような新人の橋岡が「舞台があるなら上がってみたい」と手を挙げた。そういう人財がこれからの生活の木をリードする。

アパレルをはじめとする高級店の大ベテランに比べると、たどたどしい言葉遣いや立居振舞の洗練さで明らかに見劣りするところがある。橋岡は勝負に出た。決勝戦当日の朝、予選から前日まで練習していた商品を5種類全部を変更したのだ。まさに賭けである。「予選は夏で、決勝戦はクリスマス前ですから。今自分が一番お客様にお勧めしたいクリスマス商品に変えました」。

そこには型にとらわれることなく「自分が楽しくなる接客でお客様を楽しませたい」という橋岡らしさがあった。だからこそ、冒頭の言葉がすんなりと出て、会場の支持を得られたのである。